デジタルマーケターとは?仕事内容、年収、必要スキル・資格と将来性

デジタルマーケターとは、インターネットやITだけでなく、AIやIotなどのデジタル技術を活用したマーケティングの施策を行う職種。

企業の多くがテレワークを導入し、政府もデジタル社会実現に向けデジタル庁を発足するなど、デジタル化の流れが加速するなか、デジタルマーケティングに注目が集まるようになりました。

今回のテーマは「デジタルマーケティング・デジタルマーケターとは?」で、大きく次の3部構成になっています。

  1. 最初に、「デジタルマーケティング」について簡単に説明
  2. そして、デジタルマーケターの「仕事内容」「年収」「求められるスキル」「必要な資格」「将来性」の順番に解説
  3. 最後に、デジタルマーケターになるために知っておきたいポイントを6つに要約

デジタルマーケターを目指す方のお役に立てると幸いです。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、インターネットなどの「IT技術」だけではなく、AIやIotなどの「デジタル技術」を活用したマーケティングです。IT技術とデジタル技術の違いに、明確な区分があるわけではないですが、例を挙げると下記になります。

【IT技術】
Webサイト・SNS・スマートフォンアプリ・Eメール(メルマガやステップメール)など

【デジタル技術】
AI(ディープラーニング)・ビッグデータ(データマイニング)・IoT(モノのインターネット)・MA(マーケティングオートメーション)など

細かいことを言えば、デジタルサイネージ(電子看板)を用いたリアル店舗のデジタル化、プロモーション動画といった施策も、デジタルマーケティングに含まれます。要するに、デジタルマーケティングは、デジタル全般を扱ったマーケティングとも言えるのです。

ここで「Webマーケティング」「マスマーケティング」との違いも押さえておきましょう。

Webマーケティングとの違い

Webマーケティングとは、SEO(検索エンジン最適化)・Web広告(リスティング広告やアフィリエイト広告など)・SNS・メールなど、Web媒体を通じて行なわれるマーケティングです。Webマーケティングは、インターネットが普及してきた時代のマーケティングで、具体的にはインターネットショッピングモール「楽天市場」が創業された1997年頃から本格化しました。先のIT技術の例を活用したマーケティングとも言えるでしょう。

注意点として、Webマーケティングは、あくまでもWeb媒体に限定されたものであり、AIやIotなどの概念は含まれておりません。またデジタルマーケティングは、Webマーケティングの概念も含んだ広義の概念になります。要するに、Webマーケティングは、デジタルマーケティングの一部ということです。

マスマーケティングとの違い

マスマーケティングは、大量生産・大量消費時代のマーケティングで、1920年代のラジオ放送から始まったと言われています。昔は下記のように、不特定多数に向けたプロモーションが主流でした。

例1.マスコミ4媒体である新聞・雑誌・ラジオ・テレビを使ったプロモーション
例2.屋外広告(ビルや道路)・交通広告(電車やバス)などのリアルプロモーション

このようにマーケティングは、「マスマーケティング」→「Webマーケティング」→「デジタルマーケティング」の順に発展してきました。不特定多数のコミュニケーションからOne to One コミュニケーションへ、そしてAIなどのデジタル技術を駆使したコミュニケーションへと進化を遂げつつあります。デジタルマーケティングは、デジタル化が加速した時代に対応したマーケティングなのです。

そして、デジタルマーケティングの施策を考えたり、行なったりするのが、デジタルマーケターと呼ばれる職種になります。ここから先は、デジタルマーケターの仕事内容・年収・求められるスキル・必要な資格・将来性について、それぞれ深掘りしていきます。

デジタルマーケターの仕事内容

デジタルマーケターの仕事は、ひとことで言うと、PDCAサイクルを回しながら、デジタルマーケティング施策を考えることになります。PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」の順番で、施策を繰り返していくことです。

デジタルマーケティングの仕事で言うと、「企画立案(Plan)」→「施策実施(Do)」→「効果検証(Check)」→「施策改善(Action)」の流れになります。評価(Check)のフェーズで、リアルタイムにWeb広告の効果測定ができることが、デジタルマーケティングならではの大きな特徴です。以下、上記4つの仕事内容について詳しく見ていきましょう。

企画立案

クライアントとの打ち合わせなどを通じ、要望や予算をヒアリングし、マーケティングプランを作成します。たとえばSEO、Web広告(リスティング広告)、SNS運営、ITツールの導入、ビッグデータの活用、AIなどを使った業務の自動化などを提案するのです。低コストで高い効果があるものを提案すると、クライアントの満足度も高くなるでしょう。

施策実施

施策実施のパターンとしては、「自分でやる場合」と「外部に発注する場合」の主に2つあります。

たとえばSEOやリスティング広告の運用の施策をするのであれば、やり方をお伝えして、実行に移してもらうケースが多いでしょう。一方で、アプリケーションの開発や最新ITツールの導入といった大がかりな施策になってくると、外部の会社に発注するといった業務も加わってきます。

効果検証

デジタルマーケティングでは、リアルタイムに詳しく正確に効果測定ができます。ほぼすべて数値化されるため、ごまかすことは基本できません。仮にSEOやリスティング広告(Google やYahoo!などの検索結果ページ上位に表示される広告)などの施策を実施した場合は、Google アナリティクスというWebサイトの分析ツールを使った効果検証が可能です。

具体的には、「PV(Webページの閲覧数)」「CV(商品・サービス購入などの成約)」「CVR(成約率)」はもちろんのこと、「ユーザーの年齢・性別などの割合」「ユーザーがアクセスしている地域」「ユーザーが使っているデバイス」など詳しいデータを取得できます。

そして、この効果測定のデータから問題点などを把握していくことが可能です。このような分析は、一定期間ごとに行うことになるでしょう。

施策改善

効果検証が終わったら、課題解決に向けての施策を考えます。たとえばSEO記事で月間1,000PVとれていても、CVが0だったということも起こりうるもの。この場合、顧客が法人なのに個人向けのコンテンツをつくっていたなどのターゲットのズレや、CVボタンの文言や配置など動線設計が最適化されていないなど、なぜ失敗したのという原因を特定し、どうすれば改善できるのかを考えていきます。そして限られた予算から最も費用対効果が高いであろう施策を講じるのです。

デジタルマーケターの年収

求人ボックスの求人統計データによると、デジタルマーケティングの仕事の平均年収は約597万円。これは、平均年収より100万円以上高い金額になります。

国税局の『令和2年分 民間給与実態統計調査』によると、平均給与は 433 万円。その内訳は、正規雇用の平均年収は496 万円、非正規雇用は176 万円です。デジタルマーケターの平均年収が約597万円に対して、正規雇用の平均年収は496 万円であり、正規雇用の年収平均と比較しても、101万円も上回っています。

ちなみに求人ボックスのデータでは、デジタルマーケティングの仕事は、月給で換算すると50万円、初任給は23万円程度が相場のようです。そして派遣社員の平均時給は1,814円、アルバイト・パートの平均時給は1,100円となっています。

そしてキャリアアップで、さらなる年収アップも可能です。たとえばキャリアを5年以上積み、プレイングマネージャーに昇格すると、年収が700〜800万円くらいまで上がっていきます。プレイングマネージャーとは、「マネージャー」として後輩の指導をしながら、同時に「プレーヤー」として、現場で業務をこなす立場です。

もっと高い年収を望むのであれば、ベンチャー企業で役員クラスに昇格したり、大手広告代理店や外資系企業で勤務したりするポジションが必要になります。この辺までキャリアアップすると、年収は1,000万円を超えてきます。

デジタルマーケターに求められるスキル

デジタルマーケターに求められるスキルは、「情報収集力」「分析レポート作成能力」「企画推進力」「マーケティング全般の知識」「コミュニケーション能力」の主に5つです。

情報収集力

毎日のように新しいITツールやアプリが登場したり、年に数回Googleコアアップデートがあったり、GoogleのサードパーティーCookieが廃止によるリターゲティング広告の規制が2023年に予定されていたりと、IT業界は非常に変化が激しい世界になります。そのため常に情報にアンテナを張り、自ら進んで情報を取りに行く姿勢がないと、目まぐるしい変化に対応できなくなってしまうでしょう。具体的には、最新DXニュースを毎日欠かさずチェックしたり、新しいSNSが出たらすぐに試してみたり、情報収集し、時代の流れやトレンドを察知することが職業柄大切になってきます。

分析レポート作成能力

デジタルの分野では、効果測定を非常に正確に行うことができるため、データを分析してレポート作成能力が求められます。データサイエンティストのような高度な分析とはいかないまでも、数値ベースで物事を考えることは不可欠です。「なんとなく思う」といった感覚的な意見は通用しません。

企画推進力

マーケティング施策を企画し、実行する力も必要です。たとえば「顔認証ツールを導入して、店舗に入ったときに、店員に顧客情報を通知し、過去の購買履歴や嗜好などの情報をもとに接客するということも、いまの技術でもできますが、いかがでしょうか」と施策を企画してOKをもらったら、それを実現するしていくことが求められます。外部委託を利用したり、会社内部の調整も必要になってきたりするでしょう。

マーケティング全般の知識

デジタルマーケティングを行うには、幅広いマーケティングの知識が求められます。プロのマーケターとして、ターゲット・リード獲得・プレスリリース・SWOT分析などのマーケティングの基礎知識を知っているのは当然のこと。これらに加えて、リスティング広告・SEO・オウンドメディア運用・SNS運用・MA・動画マーケティン・メールなど、デジタルマーケティングの知識なども、一通り頭に入れておく必要があるのです。

コミュニケーション能力

デジタルマーケティングの業務は、顧客から仕事を依頼されるクライアントワークであり、高いコミュニケーション能力が求められます。というのも、クライアントの要望や依頼意図を正確に理解し、どんな施策をするかをわかりやすく筋道を立てて説明をする必要があるからです。円滑なコミュニケーションができず、何度もやりとりが発生してしまう場合、一緒に仕事をしたいと思ってもらうのは難しいでしょう。

デジタルマーケターにおすすめな資格

デジタルマーケターになるために必須の資格はありません。しかし就・転職や業務に役に立つ資格はあります。Web系の資格では、「ウェブ解析士」「Google アナリティクス個人認定資格」「Web検定 Webディレクター」の3つがおすすめです。

ウェブ解析士

ウェブ解析士は、アクセス解析をはじめとしたウェブ解析データをを読み取り、正しい判断ができるスキルを習得することを目標としている資格です。ウェブ解析士・上級ウェブ解析士・ウェブ解析士マスターの順に、難易度が高くなります。なお一般社団法人ウェブ解析士協会が登録商標している資格になります。

※ウェブ解析士の公式サイトは、こちら

Google アナリティクス個人認定資格

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleが提供する「Google アナリティクス」についての理解度・習熟度を認定する資格です。出題される70問のうち80%正解すると合格です。24時間365日、無料で受験できます。なお資格の有効期間は、合格後 12 か月間で、その後は再受験が必要です。

※Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)の公式サイトは、こちら

Web検定 Webディレクター

「公益社団法人 全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webディレクター」は、Webプロジェクトを成功させるために必要なWebディレクションのスキルを備えているかを問う資格です。Web制作の工程管理・現状分析・プロジェクト企画・サイト全体の情報構造設計・集客施策立案といった幅広い知識を問う内容になっています。ディレクター業務をやりたい方に、おすすめです。

※Web検定 Webディレクターの公式サイトは、こちら

なおWeb系の資格以外には、「マーケティング・ビジネス実務検定」「マーケティング検定」「ファンダメンタルマーケター資格」といったマーケティング系の資格をとることも推奨されます。

デジタルマーケターの将来性

デジタルマーケターは、将来性のある職種と言えます。その理由は下記のとおりです。

理由1.インターネット広告費が、マスコミ4媒体の広告費を上回り、飛ぶ鳥を落とす勢い
理由2.AIやIotなどのデジタル技術が発展し、新しいITツールが続々と登場している
理由3.政府がデジタル社会実現を目指しており、IT導入補助金などでサポートしている
理由4.テレワークが普及し、企業のデジタル化が急速に進んでいる

以下は、IDC Japanがまとめた「国内デジタルマーケティング関連サービス市場支出額予測、2020年〜2025年」のデータです。

国内デジタルマーケティング関連サービス市場は、右肩上がりに上昇し、2020年〜2025年の年間平均成長率は7.2%という予測になっています。

このようにデジタル化の流れは非常に強く、デジタルマーケターはその流れに乗る職種と言えるため、将来性のある仕事と言えるでしょう。

まとめ:デジタルマーケターになるために知っておきたいポイント6つ

最後に、デジタルマーケターになるために必要な知識をまとめておきます。

ポイント1.デジタルマーケティングとは、インターネット・AI・IotなどのIT・デジタル技術を活用したマーケティング
ポイント2.デジタルマーケターの仕事内容は、主に企画立案・施策実施・効果検証・施策改善の4つで、効果検証が特に大事
ポイント3.平均年収は約597万円で、ほかの職種の平均年収と比べて100万円以上高い
ポイント4.求められるスキルは、情報収集力・分析レポート作成能力・企画推進力・マーケティング全般の知識・コミュニケーション能力の5つ
ポイント5.就・転職に役立つ資格は、ウェブ解析士・Google アナリティクス個人認定資格・Web検定 Webディレクターなど
ポイント6.デジタルマーケターは、時流に合った職種であり、将来性のある仕事と言える

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